平成27年12月29日(火)~平成28年1月24日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。
三輪休和 みわきゅうわ
≪萩長寿楽置物【はぎちょうじゅがくおきもの】≫ 1928年
高42.0×幅26.3×奥行28.8㎝
「長寿楽【ちょうじゅがく】」とは、古代日本に伝わった各種外来楽【がいらいがく】が日本的に整理された左方唐楽【さほうとうがく】(唐楽、左舞)の一つで、「天長宝寿楽【てんちょうほうじゅがく】」「天長楽」などの別名を持つように、天子の長寿を祈る舞楽(器楽合奏と舞)の曲目です。この作品は、昭和3年(1928)11月10日に京都御所で挙行された、昭和天皇(在位:1926~89年)の即位の大礼(御大典)に際して、宮中に献上されたものの連作として制作されました。
三輪休和(1895~1981、十代休雪【きゅうせつ】、本名邦廣【くにひろ】)が、萩(長州)藩御用窯の一つだった名門の三輪家を継いだのは1927年でした。「陶工に学問はいらぬ」と祖父の八代雪山【せつざん】(1840~1921、泥介【どろすけ】)に諭され、家業と萩焼復興のために旧制萩中学校を二年修了で退いてから17年の歳月が過ぎていました。この間に作陶技術の修練と伝統文化の研究に励んできた休和は、その造形力と知識を茶陶のみならず置物づくりにも発揮しました。
1970年に、初めて国の重要無形文化財「萩焼」の保持者(人間国宝)に認定されました。
≪お問合せ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL 0838-24-2400≫