2024年3月19日(火)~5月26日(日)の期間に展示しております作品をご紹介します。
藤本能道 ふじもとよしみち
《色絵花童児水指【いろえはなどうじみずさし】》 1973年頃
径 21.4㎝
藤本能道(1919~1992、東京生まれ)は、戦後の色絵磁器を代表する作家の一人です。1941年東京美術学校工芸科図案部を卒業後、文部省工芸技術講習所に入所し、加藤土師萌【かとうはじめ】から陶芸の技術を、さらに富本憲吉【とみもとけんきち】からは創作の精神を学びます。戦後は京都市立美術大学で教え、モダンアート協会および走泥社【そうでいしゃ】に参加し前衛的なオブジェ陶を制作します。1962年東京藝術大学助教授に就任以降、色絵磁器の制作に専心し始め、独自の色絵磁器を創りだします。1985年東京藝術大学学長となり、翌年国の重要無形文化財「色絵磁器」保持者に認定されました。
この水指は、藤本が本格的に色絵磁器の道を定めて以降の、自由でのびのびした色絵磁器の優品で、藤本独自のかたちと絵付けを施した飄逸【ひょういつ】で遊び心を感じさせる作品となっています。
〔お問い合わせ先:山口県立萩美術館・浦上記念館 TEL0838-24-2400〕